星雲・星団・銀河の観測に適した望遠鏡
(星団)
星空にはいくつもの星が固まるようにあつまってみえるものがあります。
この星のかたまりを”星団”といいます。
星団には
球状星団:数十万個~百万個の星が球状に集まっているもの
散開星団:数十個~数百個の星がゆるい密集度であつまったもの
があります。
どちらも低倍率でみることができますので、小口径の望遠鏡で楽しめます。
球状星団は低倍率でも楽しめますが、集まっている星々が分離しては見えず、
下の写真のように星雲状に見えるようになります。
150〜200倍で星のかたまりが分離しているのがわかり、
200倍以上の高倍率で見るとその星々の塊が鮮明に捉えることができます。
この場合はやはり、口径が150mm以上のものがよいでしょう。
星団は低倍率でも見えるので、双眼鏡でも楽しむことができます。
星があつまっている姿はとれもきれいなものです。
(球状星団 M13)
(散開星団 M45 “すばる”)
(星雲)
よく目にする星雲写真は赤や青の綺麗な色であったりしますが、
天体望遠鏡で見る星雲はぼんやりとした光が見える程度です。
と言っても中にはなんとなくは星雲の姿が見えるものもあります。
星雲の光は遥か彼方から運ばれてきた、人類の歴史が始まるずっと前の
何百万年〜何千万年前の輝きを見ていることになります。
そんなことを考えながら見るとワクワクしながら見れるのではないしょうか。
星雲には
惑星状星雲:太陽の7〜8倍の星がその一生終え、放出されたガスが円状に広がっている天体
散光星雲:宇宙にただようガスやチリがその近くの星の光を受けて、自ら発光したり、反射して光っている天体。
暗黒星雲:低温のガスやチリがそれ自身は光を出さない天体
超新星残骸:太陽の7〜8倍以上の星が超新星爆発を起こした時に飛び散ったガスが広がっている天体
(惑星状星雲)
太陽の7倍以下の恒星がその星の終わり、赤色巨星となったのち、ガスを放出するようになります。
そのガスの広がりが惑星状星雲となります。
放出されるガスは水素、酸素、窒素に由来するもので赤や青のきれいな色を発します。
また、惑星状星雲は大きなものではありませんが、そのものは比較的明るいので、以外と
その姿を望遠鏡からでも見ることができます。
星雲の光だけを通す接眼レンズに取り付けるフィルタを使うと望遠鏡でもより色合いなどを
見ることができます。集光力のある口径200mm程度の望遠鏡で200倍ほどの倍率でその全体像を
捉えることができます。
(散光星雲)
淡い光なので、写真のように見えませんが、中には明るい散光星雲もあるので、天体望遠鏡から
実際の目で見るのは感動を呼びます。
また、長焦点接眼レンズを使って倍率低めですが、明るい像を捉えることもできます.
中には肉眼で見えるものもあります。
オリオン大星雲は肉眼でもぼんやりとして星雲が見ることができます。
オリオン大星雲には光を放つところのすぐそばに光が消されたような暗黒星雲が
存在していて、より大星雲が引き立つような形になっています。
散光星雲を見るときも、集光力のある口径200mm程度の望遠鏡で観察すると
星雲の形を捉えることができます。
(銀河)
銀河は私たちがいる天の川銀河のように、たくさんの星やガスやチリからなる天体です。
見ることができる星団や星雲は私たちと同じ”天の川銀河”の一部で、見ることができる銀河は
さらに遠くにある宇宙です。銀河は望遠鏡でもその姿は光房ぐらいにしか見えません。
しかし、天の川銀河のすぐ近くにある肉眼で見ることのできるものもあります。
宇宙戦艦ヤマトの戦艦の名前としても使われているアンドロメダ銀河は天の川銀河のとなりの銀河で
肉眼でも見ることができます。口径が200mm程度の望遠鏡で観測すると銀河の明暗の模様も案外と
わかります。数十万年〜数十億年前の遥か昔の銀河の光をその目で見てみてください。