宇宙就職マニュアル その① ロケットは”化学”で軽量化を目指す!

”宇宙就職”マニュアル
アニメや映画の世界ではよく出てくるロケットや宇宙船

実際、
「ロケットを宇宙に飛ばしてみたい」

「宇宙船を作ってみたい!」

と考えている人は結構多いんじゃないかと。

次に考えるのが

「では、何を学んでおけばいいの?」

「ステップアップとして他メーカーで何を仕事としておけば?」

という疑問が浮かぶかもしれません

そこで実際、ロケット・宇宙機にたずさわっている わたし”宇宙ちゃんねる”が、学んでおくと実践で役立つことをシリーズで書いていきます。

読むと”宇宙就職への道”は開けくるようになると思います。

化学(バケガク)がロケットを軽くする!

日本に限らず、ロケットは打上能力向上の為、なるべく強さを保ちつつ、より軽くしていく必要あり。

ロケットの総重量の約9割が燃料で、それ以外の部分を軽くすれば、より大きな人工衛星や宇宙機が搭載できるようになるからです。

それを担うのが”化学の力”で新たな材料をつくることです。

”単位重さあたりの打ち上げコスト”を下げるのが今のロケットの命題

高いコストではお客さんもつきませんし、宇宙ビジネスの敷居が下がりませんからね。

材料は飛行機・車にも広く使われていますが、軽い金属(アルミ)⇒繊維強化プラスチック(”FRP”とよばれています)になっていく傾向です。

”繊維” はガラス繊維やカーボン(炭素:シャーペンの芯と同じですね)繊維から構成されていて、その素材の知識が必要

また、”プラスチック”は樹脂を高めたものですね。

さらに、樹脂はフェノール樹脂など「石油の成分から作られる」ものなので、まさに”化け学(石油が化ける)”が必要となります。

繊維強化プラスチックは 繊維と樹脂を混ぜ染み込ませ後、熱と圧力をかけて固めて材料の強さと軽さを作り出します。

この技術はいろんな”樹脂と繊維の組み合わせ”によって特徴を作りだすことが日々研究されています。

イメージは薬の新薬開発のような感じで、いろんなパターンの配合や温度、圧力を固めてみて、引っ張った時の強さなどさまざまな値を測り、もっとも適したものを選んでいきます。

課題は低コスト化

このFRP 軽くて強い、良い点ばかりを挙げてきましたが、最大の課題はコスト

”材料費と製造費”が金属に比べて大幅に高いことがネック

なので、低コストを最も重視しているアメリカ スペースX は安価な金属を使用しています。

といっても少しは開発をおこなっている金属で従来からの派生で成立しているので安くできる!

材料費は

”市場に出回っているものの改良でロケットなどに使えるようにならないか”
がポイントかと

こんな研究をしている人いたら宇宙業界では結構引っ張りダコかも

あとは製造費を下げるにはシンプルですが、

”作り方を簡単にする”

FRPでの製造は手作業が多いので、”ものをつくる技術”にたけている人もコスト削減という意味では有効かと思います。

大量生産をできるような状況をつくれればまた、状況もかわってくるのですが。

品質管理も重要

宇宙製品では他業種と比べても”品質の管理”超需要です。

高コストなため、失敗すると何十億、百億レベルの損出になるからです。

「どういった点を抑えればこの製品の品質は抑えられるか?」

「不具合が起きた時に、原因を突き止め、対策を導きだす」

というのが主な内容。

技術的な素養、論理的に考えることが多いので、理系出身の人が担っています。

他メーカーでの品質管理や技術系の学部出身であれば、仕事のチャンスは大いにあります。

実際に、機械学科出身の人などもフツーに働いていますので。

ロケットを作っているのはロケットメーカーだけではない

ロケットを最終的に作るのはそのメーカーですが、材料は化学メーカーから調達します。

なので、”材料を開発したい”という場合は、ロケットメーカー・化学メーカー どちらの選択肢もあります。

”宇宙にどっぷりはまりたい”人はロケットメーカー、”限らず新素材を開発していきたい”という人は化学メーカー

といった感じでしょうか。

今までは繊維の話ばかりでしたが、金属も多く使用されていきます。

例えば、スペースX ファルコン9の頭の部分(フェアリング)に使われている材料の表面はカーボンのFRPですが、内部で強度を保っているのはハニカム構造のアルミ

エンジン部分で液体燃料をもやすことで高熱となる部分でも金属であれば冷却させながらを使用できることで優れています。

溶接性や耐熱性に優れた金属の開発をしている、研究していたりするのも宇宙就職につながってきます。

ロケット中心に話してきましたが、火星探査などの宇宙機は金属の中でもやや軽いアルミやチタンの合金が中心に使われています。

国内問わずというかアメリカを中心に世界各国ではロケット、宇宙機のメーカーは多くあります。

「そういったメーカーで働きたい」という希望があれば、そこでどんな開発やものづくりをやっているかを調べて逆算してスキルアップとして学部や会社を選ぶのが近道です。

ネットでもいろいろ調べればわかりますね。

”スペースXではアルミ/チタンの合金がエンジンでは採用されている”とか。

実際、わたしの働くところでも、中途でも新卒でも会社でやっていることに直結したFRPの研究やメーカーだったエンジニアが採用されていたりしますので。

国内のメーカー探す場合だと宇宙情報サイト”空畑”さんのビジネスマップがわかりやすいかと。
宇宙ビジネスとは~業界マップ、ビジネスモデル、注目企業、市場規模~ | 宙畑
宇宙ビジネスって実際何ができるの?儲かっているの? 市場規模から注目企業まで、本記事では宇宙ビジネスについて業界マップを使いながらご紹介します。

学部を探す場合は宇宙を大学で学びたい人に向けのサイト ”アストロ部”さんのこの記事で網羅できると思います。
宇宙を学べる大学一覧 天文宇宙 物理 工学 地球惑星 教育(2020年10月更新)
現在掲載されているリストは、2020年10月に更新したものです。天文・宇宙を学べる大学はたくさんあります。今まで、天文・宇宙を学べる大学というと、「天文学」や「宇宙物理学」が履修できる大学というイメージが強かったのです。しかし、高校生の宇宙

目標を決めて、それに合った実践をして、”宇宙への道”へ近づきましょう!
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