宇宙空間へ人工衛星や物を運ぶロケット
1回の打ち上げ費用は大型ロケットだと70~120億ほど
宇宙という特別な場所へ運ぶとはいえ車や飛行機と同じ目的は、モノを運ぶ輸送機
”今の費用は高すぎる”
ということで「どうやったら安くできるか」を考えていきたいと思います。
車や飛行機など他の輸送機との価格比較してみると
まずは他の輸送機器とどれくらい差があるのかを見ていきたいと思います。
トラック(4トン) | 大型船 | ジェット機(777E) | ロケット(ファルコン9) |
|
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価格(万円) | 1,000 | 4,000 | 3,700,000 | 660,000 ※1 ※1 打ち上げ価格 |
総距離(目安) | 70万キロ | 400万キロ (年20万キロ、20年) | 2000万キロ (航行距離:2000キロ、10,000回、6万時間) | 高度:5000キロ (10回) |
積荷1トン当たりの価格(万円) (距離1000kmで) | 36,000 | 23,000 | 190,000 | 30,000,000 ※2 ※2 高度500km |
このように重さあたりだと圧倒的に高い。
実際には人工衛星などシビアなものを運んでいるので車にエアサス車があるように、衛星を載せる台も振動や衝撃を抑えられるような特別仕様になっている分も費用には加算されますが。
確かに高度100kmを超えると空気がほとんどなくなる不利な条件はあります。
だけど、ロケットの世の中標準に少しでも近づけるにはコストダウンをしないといけないことがわかります。
ロケットはなぜ高いか?
上で書いたジェット機は370億とロケットを上回っています。
でも、飛行機は何千回と飛行して運ぶ。
繰り返しの回数でに大きな差が出ます。
使い捨てがかなりのビハンイド
ちなみにロケットの費用も飛行機ほどではないけど、高い
その内訳は以下のとおり
やっぱり製造費が高い
製造費の中でも費用が高いのは、エンジン部分、燃料を入れるタンク、電子機器(アビオニクス)が大きなウエイトをしめているのが通常です。
コストダウンしなきゃいけない点、いけないところが見えてきました。
ロケットの費用を安くする3つの方法
今まで内容を踏まえて、すでに取り組みが始まっている①,②プラス僕が考えた案③がこちら
①再使用
②燃焼システム
③世界標準
それぞれについて
①再使用
以前、ニュースでも大きく取り上げられたスペースXの再使用
映画の世界が現実のものとなっている一例ですね。
スペースXの再使用は1段ロケットとフェアリング
現在は低コストで再使用を実現する目的なので、100kmの宇宙空間に満たない、影響が少ない1段ロケットのみを再使用している
それ以上の高度になると温度の問題があり、まだ再使用技術が追い付いていないので。
フェアリングは熱に強いカーボンファイバー製の樹脂、繊維強化プラスチックというもので覆われ中はアルミハニカム構造で軽量化したものです。
繊維強化プラスチックはよく軽量化するために車・ジェット機などに使われる素材
カーボンは”炭素”、いわゆる炭なので、高温にも強いんですね。これが繊維に配合されています。
世界でも”使い捨てを安くするか”、”再使用か”の2つに流れがわかれています。
ちなみに日本は使い捨てだけど安くする策
これは僕が③でもかいていますが、ダイナミックなことをやらないとそうそう下がらないと思っています。
今は設計を見直して、部品を少なくするのが基本策です。
再使用は今後、宇宙空間に飛んでいく2段などにも研究がすすみます。
おそらく再使用できるようなシステムは近いうちにできる、カギは”冷却機構”だと思っています。
②燃焼システム
ロケットの重さの9割を占める燃料
質量比:全体の重さに対しての燃料重さの割合
比推力:単位燃料当たりでの出力(飛ばす力)
が大きく向上すれば、軽くて瞬間的なエネルギーが大きいロケットになる
そうなると多くの荷物を積めるようになります
未来のエンジンの代表格は核融合を使ったものか電気推進
”安全&高い出力”の問題がクリアされればです。
現在は長年つかっている安全性かつ安価な液体燃料が主流。
③世界標準にする
これは僕が考える案
ロケットの大きさや燃料充填システムなどを規格化する
すると、ロケットの構造のある程度、標準化することができる
標準化がすすめば、飛行機などと同じように”発着点はどの機体も同じ”にすれば、莫大な建設費をシェアしながら、条件が最適な発射場から打ち上げることができるようになる。
発射場までの運搬方法も共有できてコストを抑えて、海外輸送できるようになる
と好条件で実現できます。
さらに進むとロケットの大きさが規格化されると人工衛星など、中に積むものも規格化されていく、必ず互換性をもつなどウェブの世界と同じようになっていくのかと。
もしかすると、開発スピードが速いスタートアップに日本やアメリカ、ヨーロッパなどの老舗企業が勝つにはこの策かもしれない。
発射場では日本にも有利になるなど、それぞれが持つメリットを集約していく。
数で世界を網羅していくのはいいかもしれませんね。
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