宇宙就職マニュアル その⑥ 未経験でも文系でも宇宙業界への転職は可能

”宇宙就職”マニュアル
わたしが働いている宇宙業界

今は違う仕事をしているけど、今後,
「自分が作ったロケットが宇宙に行くところを見てみたい」
「もっと身近にロケットが飛ばせるような技術に挑戦してみたい」
「自国でまだ人工衛星をもっていない国に人工衛星を売り込んでみたい」
と思っている人がいるかもしれません。

そういった方に向け、

”宇宙の仕事に私は転職できるのか”

”転職するために今どんなことをやっておいたほうが良いか”

”これかたどんなスキルを磨けばよいか”

を説明していきたいと思います。

宇宙業界 未経験でも可能。関連スキル(実績)を持っていたほうがベター

ロケットも人工衛星も機器のかたまりです。日本でいう大手ロケットメーカーのMHI(三菱重工)やIHIは”輸送機器メーカー”のジャンルに入っています。
(ロケットは宇宙へ人工衛星などのものを運ぶ”輸送機”ですからね)

なので、今製造メーカーの開発者・技術者であれば宇宙業界へ転職できる確率は高くなります。

転職に有利なジャンルはロケット・人工衛星を形作るもの、その形のイメージを利用するもの

・ロケット・人工衛星に使われる材料系
(化学材料や金属材料)
・機械系・電気系

・解析系

などがおもなところです。

材料系は軽量・高強度・耐熱性を目指す開発や製造方法を考える仕事

ロケット・人工衛星を構成するものは主に金属や繊維強化プラスチック(FRP)です。

そういった材料での開発・技術経験があれば、転職する上でメリットになります。

今はFRPの製造面の課題やコスト面が課題です。やっぱり作り方が複雑だったり、材料費が高いんですね。

スペースXなどではコスト面を最重視して、FRPより安くなる金属を積極的に使っていたりします。

この課題が解消されれば、軽量かつ高強度で耐熱性も優れているようなFRPは今後幅広く使われるようになると思います。

また、金属材料もFRPでは製造できないようなところではこれからもしばらく活躍します。

見ての通り、ロケットのエンジン部分はまさに金属配管の集合体

現代のロケット・人工衛星は液体燃料によって推進力を得ているので燃料が通る配管だらけのものになるわけです。

近い将来と言っても10年、いや数十年後は”はやぶさ”のような電気エンジン(イオンの加速で推進力を得るようなもの)になっている可能性はありますが、今だとしばらくは液体燃料が主流

(自動車なんかと比べるとそのあたりの変化が遅いですね。需要が少ないからかな)

そんな材料を自主開発する場合もあるし、材料メーカーと共同で開発の場合もあります。

いずれにしろ物を作るときにはそれをどういう形状にするかや他のものとどう組み合わせるか(溶接とか)を考える技術も必要。

”生産技術”と呼ばれるものです。

わたし、宇宙ちゃんねるはこのジャンルの出身で、異種金属をどう溶接すればもろくならない基準を満たすような接合ができるかなどをやっていたことがあります。

機械系・電気系も幅広く活躍できる

言い換えると輸送機器や測定機器であるロケットや人工衛星

それを動かすには機械動作や電気的な作用は必須です。

ロケットは日本では火薬によって分離していますが、分離後の機構的な動きにより1段ロケットと2段ロケットが離れるようになっています。

海外ではガス発生機(”ガスジェネレータ”といいます)によってピストンを作動させ、機械的に分離しているのが主流。

また、ロケットの制御には地上と通信して受信したり、ロケット自身が搭載している制御系装置やテレメトリーなどの計測系装置によって姿勢を自動で修正したりなどが行われます。

ここはまさに電気信号によってロケット内部に搭載された電気機器が作動しているところ

といった具合にベースにあるのは機械と電気で、メーカーのエンジニアでこういったジャンルの経験がある人には有利にはらたくと思います。

ロケット・人工衛星では構造解析・熱解析が必須 解析できる人が必要

開発を行う場合、サブスケールモデルやサンプリング、実機大のモデルを使った試験も実施しますが、それと並行して構造解析なども行います。

そういった時に解析ができる部署があって依頼を行っています。

外注に頼む場合もありますが、トラブルや開発期間が短いときなどは柔軟に対応できるようにするには社内にそういう人がいたほうがいい。

今の職業でこの辺りの経験をしていれば、転職のチャンスは広がります。

不慣れなところは仕事をしながら学んでいこう

近いジャンルで経験があるとはいってもやっぱり他の業種とは異なることも多くあり。(どの業界に行っても同じですが・・・)

特別というほでではないですが、一般には使わないあまり聞きなれないような材料を使っていたり、開発のプロセスが異なったり。

わたしも初めて聞く用語だらけだったのを覚えています。

もちろん、仕事をしながら柔軟に吸収していけばOKです。

文系でもロケットに関われる仕事は結構あり

今まではエンジニア中心に”宇宙の仕事に転職できる”ことをお伝えしてきました。

でも、文系でもロケットや人工衛星にかかわる宇宙の仕事がしたいと思っている方もいるはず。

結論から言うと文系の方でも活躍できる場は結構あります。
僕が実際の経験から文系でも活躍できる仕事を説明します。

ロケット・人工衛星の部品調達は商社・代理店経験がいきる文系職メインの仕事

構成される部品は数万点にも及ぶ時もあるロケットや人工衛星。

どこのメーカーもそうですがコスト下げるためには購入費を減らす努力をしないといけないので、”部品調達”という仕事は重要なポジションです。

そこで、幅広くものを知っているキャリア、商社や代理店経験がある人だと今までにない、コストメリットがあるような部品を調達して活躍できるのではと考えます。

ロケットの部品はそもそもの需要が多いアメリカやヨーロッパから調達することがまだ多いのです。

ですが、輸送コストやリードタイムの問題、武器輸出規制(アメリカの軍事技術に関連した部品は使用制限など規制が厳しい)の問題などがあり、コストや使用する面でもデメリットが。

部品が不具合の時の責任問題とかももめることが多いです。

そうするとやっぱり国内製や安くて性能を維持できる中国製の部品などを使っていかないと安く&自由にならない。

こんなニーズにマッチした人がいると宇宙業界を低コスト体質に変えていくことができるかもしれません。

ロケット好きなら営業職でお客さんに売りにいこう

お客さんにロケットや人工衛星を販売する営業でも、他のメーカーと同様に文系の方が活躍できます。

お客さんは国内需要だけでは乏しいので、グローバルに販売していくことが大切。特に日本に近いアジア圏で勝機を見出したい。

やはり、英語に限らず語学ができるとより有利になります。

入社してから学べばよいですが、幅広くロケット・人工衛星の知識は必要。文系に限らず技術系から移ったりした技術営業が多いのも事実です。

でも、ロケットが好きな方なら大丈夫

自社のロケットがどんなものを知り、「ロケット・人工衛星でどんなことができるか」、「お客さんが得られる特別なメリットは何か?」をしっかり伝えていけばいいです。

スキルを磨くと同時にキャリアアップ登録してチャンスを拡大していこう

宇宙の仕事のスキルアップになるという明確な目標があれば、今の仕事でのスキルを磨くモチベーションにもなりますね。

僕も心の中でそう思いながら日々の仕事をしていました。

そして、同時に転職サイトに何社か登録して、その機会を伺っていました。

他社はあまり把握できていませんが、開発が多い宇宙の仕事では慢性的に人が足りてないことが多いです。

なので、転職に役立つ”スキル・強み”を持っていて、募集のチャンスを逃さずにつかめば、比較的すんなり入社できると思います。

タイミングにも左右されますが、まずは”自分でロケットw作ってみたい”とか”自分がたずさわった人工衛星が地球を回っていることを想像がしてみたい”と思ったらまずは登録してみてチャンスをつかんでください。

僕は宇宙の仕事は未来の人の”礎(いしずえ)”となる仕事だと思っています。”そんな仕事がしたい”思ったら一歩進んでいきましょう。

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