宇宙業界、宇宙関連の会社で働くのは何も理系大学卒の技術者だけではありません。
実際、宇宙ちゃんねるの会社にもいろんな人がロケット作りに携わっています。
これから、”自分でロケットに触ってロケット作りがしたい”と思っている人はどんな技能を身につけるといいかをお話ししたいと思います。
今のロケットの主要部は画像のように”エンジン部”と言われるところ。
世界のロケットを見てもどれも金属の配管だらけです。
これはロケットで主流の液体燃料が通る配管です。
これだけ入り組んでいる配管は絶対に”漏れ”があってはなりません。(今までのロケットや探査機の事故であったように漏れが発生するとそれが引火して爆発を起こし大惨事になるからです)
漏れを無くすためには”確実に密閉する”ことが必要になります。密閉方法は大きく2つあり
・ゴムのような弾力のある(つぶれる)物を挟んでネジで締め付ける。
・金属をとかしてくっつける。(溶接)
があります。
入り組んでいる箇所はネジで締め付けることができないので(そもそも手が入らないですね)金属をとかしてくっつける:溶接等でつなぐようにしています。
機械による自動溶接もどんどん進んでいますが、空間が狭いところではどうしても人の手による溶接をしないといけない箇所もあります。
そこで、”溶接の技能”が必要になってきます。繋ぎあわせる金属同士を一方にかたよらないで溶かし、均一に力がかかるようにする、そして、裏も表も満遍なく溶けてくっついてることが要求されます。
溶接は工業高校や高専などではじめに習うと思います。
溶接の基本を学び、ベースを作っておくとその道のプロ(この人がいないとロケットが作れない!)になれるかもしれません。
どうしても機械でできないとことは必ずある。ロケット作りではこういった”自分の得意分野”を持っておくと就職には優位になるのではと思います。
ロケットに限らず、宇宙空間で使うものは配管溶接をするものが多いです。例えば、宇宙ステーションの機器など。
くねくねした配管が入り組んでいるのを見たことありませんか。
溶接は技と知識(溶接する金属の性質を理解する)ことが重要なので、宇宙の仕事を目指す人は溶接についての幅広い知識を身につけておくと役に立つと思います。
技はやっぱり、実践(経験)を踏んで積み重ねていくしかないと思います。
なので、今は知識をどんどん吸収していきましょう。
いくら自動化が進んでもまだ少しこの先は人に頼っていくことはしばらく続くはずです。
また、溶接に限らず、金属どおしをくっつける技術も知っておくといいです。
イーロンマスクが創業した”Space X”は自社で金属攪拌接合技術を用いてタンクの接合を確立し、新しいやり方を開発していたりします。
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