天体撮影に天体望遠鏡の対物レンズや反射鏡が結ぶ像をカメラで直接撮影する方法を
”直焦点撮影”といいます。カメラレンズの代わりに天体望遠鏡を望遠レンズとしてつかいます。
直焦点撮影ではカメラの望遠レンズよりもさらに拡大して撮影ができるので、小さくて写らなかった天体も撮影できるようのが特徴です。
ここでは直焦点撮影に向いている望遠鏡について解説していきます。
直焦点撮影におすすめの天体望遠鏡は?
直焦点撮影をはじめるなら
・口径 8~10センチの屈折望遠鏡。
・望遠鏡の接眼部にカメラ接続リングが直接取り付けらえる望遠鏡。
・架台は赤道儀で搭載できる重量に余裕があるもの。
・脚はねじれに強いもの
がおすすめです。
口径 8~10センチの屈折望遠鏡。
倍率を考えると大口径の反射望遠鏡のほうがよいということはありますが、カメラでの撮影では架台に載せる機材が多くなります。
それに加えて大きな口径のものですと重さもまして扱いが大変になります。
また、架台、脚はしっかりしたものを使うのですが、載せているものが重いとどうしても風などの影響をうけやすくなります。
それに比べて、このサイズの屈折望遠鏡であるとコンパクトなので、風の影響を受けずらく、架台に載せる重量も軽くできます。
天体撮影時に失敗しずらくなるのがおすすめする点です。
望遠鏡の接眼部にカメラ接続リングが取り付けらえる望遠鏡。
カメラと望遠鏡を直接つなぐ直焦点撮影ではカメラ接続リング(Tリングと呼ばれています)を使います。
望遠鏡側の接眼レンズ取り付け口元にはTリングを直接つなげるようにオスネジがきってあるものを選ぶと他のアダプタをと介さず、Tリングだけで望遠鏡とカメラをつなぐことができます。
架台は赤道儀で搭載できる重量に余裕があるもの。
天体撮影をするうえでは、天体を追尾してある時間撮影する必要がでてきます。
光りを集めて、より鮮明な天体を撮影するためです。
そして、天体撮影には架台上に撮影用の機材や赤道儀の追尾状況を確認する
ガイド鏡を載せたりすることもあるので、搭載できる重量に余裕があるものがよいです。
目安は鏡筒、架台セットで販売されている場合のものより、1ランク搭載重量に余裕がある赤道儀の架台を選定するとよいでしょう。
脚はねじれに強いもの
脚は架台同様に天体撮影では載せる機材が多くなるので、しっかりしたものが必要です。
ポイントとしてはねじれに強いものを選びましょう。天体撮影では赤道儀で天体をおっているので、
極軸がずれてしまうと追尾していた天体の動きと誤差がでてしまい、追尾不良で撮影していた天体の
画像がぼやけたり、流れたりしてしまいます。同じような脚でもワンランク上の強度のある
脚を選ぶとよいでしょう。
直焦点撮影で使用するその他の機材
・望遠鏡とカメラをつなぐ”Tリング”
天体望遠鏡の接眼部にM42のオネジきってあるものはTリングで望遠鏡接眼部とカメラを
つなぐことができます。
・直焦点撮影用のカメラアダプター
天体望遠鏡の接眼部にM42のオネジきっていない場合はカメラアダプター+Tリングの組み合わせで
カメラを接続します。
また、カメラによる直焦点撮影では接眼レンズを使用しないため、像小さくなってしまうので、大きく撮影したい場合は
拡大撮影用のカメラアダプタを使って、天体を撮影します。
・追尾のわずかな誤差を監視する”ガイド鏡”
長い露出時間の場合、星の日周運動の追尾がわずかにずれてしまっても
星が丸くならず、流れてしまいます。それを防ぐために、ガイド鏡と呼ばれる
赤道儀の追尾状況を監視する小型の望遠鏡を搭載します。目視のかわりに
オートガイダーと呼ばれる機器を取り付けて、パソコンソフトなどで誤差を検出し
その誤差を赤道儀に取り付けられたモータ―ドライブに反映して赤道儀を
動かし誤差を自動的に直していくようにします。