衛星データを使った”賃貸物件選び”のビジネス提案の結果はいかに

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先月、グループ会社内でビジネス提案の募集があり、僕は宇宙に携わっていることすがら、人工衛星のデータを使った”人の暮らしに役にたつ”ビジネス案を考え、提案した。

 

内容は

”衛星データを使った住むのに最適な賃貸情報の提供”

 

「賃貸物件と衛星データ?」と思うかもしれないが、実は使い道が結構あると思っている。

まずは空き物件を空から検知する。これは実は既知の活用法だが、人が暮らしているとよっぽどでない限りエアコンを使ったり、料理をすると熱が発生する。そこから発せられる温度は熱赤外センサーを搭載した衛星によって検知できる。

なので、人工衛星が毎日または数日おきにいつも同じ時間、できれば夕食時や仕事から帰ってくる時間に定点観測を行えば、かなりの確率でこの熱を検知し、人が住んでいるのかがわかるようになる。

実はこの熱赤外センサーは雲がかかっていると観測できない。ので観測頻度があがれば解消はできるはずだ。

仮に住んでいないくても、どのくらいの頻度で家に帰っているかなどがわかるようになり、別宅なのかどうかなどもある程度知ることができる。

 

空き物件は管理している付近の不動産会社が管理しているので、そこに確認すればわかるが、各不動産の情報を取集しなくても全国各地の空き情報がわかるようになれば、その手間が大幅に削減できると思う。

日本の賃貸不動産は約1900万戸。海外の不動産などにも活用できので、マーケットは”全世界”だ。

そういえば、公募でも”国内だけでなく世界で・・・”といったことが書いてあったな。そこも無意識にとりこんでいたのかもしれない。

 

不動産に関する”他の衛星データの使い方”として、もうひとつ提案を行った。それは”植物の生育状況や大気清浄度のデータ提供”

 

今は現代病とも言える”花粉症”ぜんそくなど大気に含まれる物質によって呼吸器官に症状が出たりする人が多くいる。

そういった方が自分の住む場所を考えた時、上のような「大気環境」を一つの条件にするのではないかと考えた。

 

人工衛星に搭載する機器で赤外線を検知するセンサーがある人間も植物も生物でないものもすべての物質はそれぞれ特徴を持った赤外線を発している。

なので、どこに杉の木があるかヒノキの木があるかと特定することができる。花粉症の人は「住まいの近くに多くの杉がある地域を選ばない」といった住まいを決めるポイントにもなる。

 

「あ、これは出かける時にも応用できそうだ」もうそんなアプリがあるかもしれないが・・・・・

 

そして、衛星では空中の大気の状態も観測できる大気に含まれる浮遊物質を測定でき、それによってPM2.5など大気清浄度が観測可能だ。

 

気管支など呼吸器系で症状を持っている人にとっては重要なポイントだ

「子供がぜんそく持ちなので、空気のきれいな郊外に住もう」と引っ越ししている人もいるかもしれない。通常、もちろん郊外や田舎は空気が綺麗なのだが、それが実際には数値として見ることができていない。

もっとも空気がきれいな地域はどこか?が数値化できればもっと比較しやすくなる。

 

このようなデータ(空き物件、植物生育状況、空気清浄度)を不動産会社に提供するビジネスを提案した。

このデータは時間とともに変わるので、観測やデータ整理のプラットフォームを一度作ってしまえば、継続的な形で提供していく。いわゆる僕らが使っているスマフォやWIFIの料金と同じ、継続課金システム(サブスクリプションにできる点では収益性にも安定すると考えている。

 

提案では収益性、技術的な成立性、マーケットの大きさ、3年以内の事業化、資源などの内容が問われた。

 

そして、資源という意味で、”自社のロケットで衛星を打ち上げる”という点も加えた。強みは他メーカーから受注した超小型の人工衛星の打ち上げと便乗して、打ち上げコストを抑えられるとところにある。衛星1kgあたり:1億円とされているコストをなるべくさげるようにする。

 

それともうひとつ、グループで人工衛星そのものは作っていないが、人工衛星に載せる先ほど出たようなデータ取得用の機器を製造しているメーカーがある。そこの知見を生かして人工衛星ベンチャーと共同で人工衛星を作り上げる。大手にはないベンチャーの機動力・加速力を共に作ることで吸収し、大手企業ならではの重い腰を軽くすることも必要だ。

 

そんな提案の一次選考の結果はもうすぐくる。会社も本気で衛星データの活用を考えているようなので、この提案がその意図とうまくつながり、自分のビジネスを進める加速力になればと思う。

たとえ、採用されなくても自分で道を開いていこう!

 

 

 

 

 

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