新しいh3 ロケットの開発には”失敗は付きもの”というマインドセット

ロケット
日本では新たな大型ロケットH3ロケットの開発が進んでいる。打ち上げが2020年度に打ち上げ予定でそこを目指して、急ピッチで開発が行われている。

僕もそんなロケットの一部たずさわっている。

はっきりは書けないが”試験をする度にどこかが壊れる”といったことが起き、2020年度中に打ち上げができるのか?がかなり心配になる状況だ。

開発中のロケットに限らずですが、新しいロケット、人工衛星の打ち上げではいつもこうでどこのメーカーが遅れるという手を挙げるかの”チキンレース”になることが多い。

正直、他メーカーが「間に合いません」となるとホッとすることも多い。

新しいロケットの開発は世界のどこでもこんな光景が繰り広げられているのだと思う。今でこそ、定期的に打ち上げしているアメリカ スペースXの大型ロケット”ファルコン9”もはじめは3度のロケットち上げ失敗をした後に今がある。

f:id:Uchu-Channel:20200113232834j:plain (ファルコン9の打ち上げ)

なので開発をするには、初めから”どんなに検討しても初めからうまくいかない”という心(マインド)を持っておくことが大切だと思っている。

そうすれば、変化に柔軟に対応できるからだ。

でも、人間の心理として余計なことはやりたくない、というか仕事が多い上にさらに多くなるは嫌だという感情が働いてしまうのも仕方ない

”そんな時はどうすれば?”

僕は行動でも”備えておく”ことが大切なのだと考えている。

問題が起こることをマージンとしてとっておき、スケジュールをあらかじめ余裕をもったものにしておく。

その為にもその他の仕事全体をザッグリで良いから全体的な目で見ておくことが必要だ。忙しかったりすると目の前のことしか目に入ってこないことが多いから気をつけないといけない。

具体的には「あのコンポーネントの剛性試験が3月〇〇日に予定されている、何か起きるとその対応になるのでそのあとに締め切りがあったものは先に済ませておこう」といった具合に。

そして、そういったことを考える時間を確保することをまずはじめにくる。できれば朝のだれにも話しかけられない集中した時間に考えるのがベスト(なので、僕は就業開始時間の1時間ほど前に会社にいってこのルーティンを行っている)

【新たなロケットでは】

そして、新しいh3ロケットで最も重要なものは”コスト”

やっぱり日本のロケットは高すぎて、世界のお客さんが手が出せないのだ。(日本の技術力の信頼性は十分だけど、やっぱりそれだけではお客さんにニーズを満たせない)

なので、いかに安くするかの要素が僕の担当する中でも反映されている

①買う材料を安くする

ロケットの製造原価の70%が他社からの買いもの。

まとめて注文して安くする、もっと安いメーカーを探す。宇宙用でない一般製品を試験して宇宙環境に耐えられるものを選定する

②パーツを少なくする

1万点があったら8000点のパーツにする

・組み立てていた20部品を1部品だけにする

・機能の縮小して部品を6割減らす

③作り方を単純にする

・②で部品が少なくなれば工程の手順は少なくなる

・試験の簡略にする(H2ロケットの積み上げから判断して)

H3ロケット全体では打ち上げ費用 80億から50億へコストダウンを命題にしている。

それでもまだスペースXの安さには勝てない。(人工衛星1kgあたりの値段はスペースX:24万円に対し、h3:33.3万円)
同等レベルにもってくるには打上コスト36億円程度まで抑える必要がある。

そこで【さらなる低減案】

宇宙チャンネルが考える案

・まとめて作る(製造ライン化)

これは作業習熟・作業改善・標準化などで最大20%の削減

ロケットでは部品購入が70%として50億×70%=15億円

15億円の20%減なので、3億円ほど

・内製化

外注品で最も高いものを自前で作ろうというもの。スペースXも実際にやっていたが、エンジンやロケットを制御する電子機器(航空宇宙業界ではアビオニクスとよばれている)を自分たちで作ってコストを抑える。

専門性があって”メーカーが限定される”場合はなかなかコストが下げられない。立上げは大変だが自分たちで作る。はっきりいって、そのメーカーのエンジニアや以前働いていたエンジニアをひっぱってくるぐらいしないとゼロスタートでは厳しい。

この内製化では外注費で高コストとなっているのはおそらく2割程度の製品が80%、28億円程度で先に出したエンジン・アビオニクスやロケットそのものの形をつくる特殊金属素材などでしめている。ここも2割程度削減で5億円低減を目指したい。

・海外メーカーをもっと活用する

オールジャパンでもいいけど、やっぱり人件費などのコストが製品に上乗せされなかなか値段が下がらないのが実情。海外のメーカー、特に日本は立地を生かして同じアジアのメーカーと品質面からもサポートして安い製品を獲得する。

調達の部門から上がってくるのは”品質”が一番先に出てくるからだ。ここを突破していかないと安いロケットに対抗できないと思っている。

【今から考えておくこと】

ロケットの開発は20年とか10年かかるの通常だ。先を見据えてどうコストを安くしていくかを考えて動くべきだと思っている。

そして、宇宙業界の動きも最近は特に早くなっている。

10年もたったらまた新たな安く品質の良いロケットがどこかの国で作られるようになるのでh3の先にあるものも見ていかないといけない。通常は改良型になるけど初号機を打ち上げていない段階からその改良型の動きも並行してい進めておくことが重要だと思っています。
【まとめ】

僕はなるべくトラブルなく開発が終わればと思っていたけど、”そんなことはありえないんだ”ということを改めて思っています。ロケットづくりだろうが何だろうが新しいことをやれば必ず失敗がある。

”失敗を許容するマインド”を常にもっておきたいと思います。

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